7大総合商社を徹底比較

投資初心者の館
7大総合商社を徹底比較!資源依存度・事業の違い・株主還元方針をまるごと解説
STOCK COMPARISON

7大総合商社を徹底比較
資源依存度・事業の違い・株主還元方針

三菱商事・伊藤忠・三井物産・住友商事・丸紅・豊田通商・双日

① 7社のいま(2026年3月期決算・2027年3月期予想)

三菱商事
26/3期純利益8,004億円
27/3期予想1兆1,000億円
増減率+37.4%
27/3期予想配当125円
伊藤忠商事
26/3期純利益9,003億円
27/3期予想9,500億円
増減率+5.5%
27/3期予想配当44円(分割後)
三井物産
26/3期純利益8,340億円
27/3期予想9,200億円
増減率+10.3%
27/3期予想配当140円
住友商事
26/3期純利益6,003億円
27/3期予想6,300億円
増減率+4.9%
27/3期予想配当40円(分割後)
丸紅
26/3期純利益5,439億円
27/3期予想5,800億円
増減率+6.6%
27/3期予想配当115円
豊田通商
26/3期純利益3,705億円
27/3期予想4,000億円
増減率+8.0%
27/3期予想配当125円
双日
26/3期純利益1,036億円
27/3期予想1,300億円
増減率+25.5%
27/3期予想配当180円

※伊藤忠は2026年1月、住友商事は2026年7月に株式分割(伊藤忠1→5、住友商事1→4)を実施。配当額は分割後ベースで記載。

② そもそも総合商社って何をしている会社?

「商社って結局なにで儲けてるの?」と聞かれると、意外と説明しづらいですよね。一言でいうと、原料の調達から製品の販売まで、世界中のあらゆる業界の「つなぎ役」をしながら稼ぐ会社です。

石油・天然ガス・鉄鉱石といった資源から、食品・自動車・医薬品・不動産・ITまで、商社が関わっていない業界はほとんどありません。トレーディング(売買の仲介)で稼ぐだけでなく、自分たちで資源権益や事業会社に出資して、その利益も取り込む「事業投資」のビジネスモデルに進化しているのが今の総合商社です。

③ 7社の「ちがい」を3つの軸で見る

軸1:資源への依存度

資源色が濃い:三菱商事・三井物産

LNG・銅・鉄鉱石・原料炭など資源権益を多く持つため、資源価格や為替(円高・円安)の影響を強く受けます。市況が良いときの伸びは大きいですが、下落時の振れ幅も大きいのが特徴です。

非資源(生活密着型)に強い:伊藤忠・丸紅

伊藤忠はファミリーマートなどの「川下」ビジネス、丸紅は食料・アグリなど生活に近い事業の比率が高め。資源価格の変動に左右されにくく、業績が安定しやすい構造です。

中間タイプ:住友商事・豊田通商・双日

住友商事はデジタル・リース・不動産など8つの成長分野に投資を分散。豊田通商はトヨタグループとの関係が強く自動車関連が主力。双日は航空・社会インフラとエネルギーが両輪です。

軸2:各社の事業ポートフォリオの特色

三菱商事

資源(LNG・銅・原料炭)×非資源(ローソン等)の両輪。事業規模・利益額は7社最大級

伊藤忠商事

「利は川下にあり」の経営哲学。ファミマ・繊維・食料など消費者に近い事業が主力

三井物産

金属資源・エネルギーに強み。米国シェールガスなど海外資源権益が多い

住友商事

デジタル(SCSK完全子会社化)・航空機リースなど成長8分野に分散投資

丸紅

食料・アグリ、金属(チリ銅事業)に加え金融・リース・不動産も伸長中

豊田通商

トヨタグループの一員として自動車関連が主力。アフリカ事業にも強み

双日

航空・社会インフラとエネルギー・ヘルスケアが柱。7社の中では規模は小さめ

軸3:株主還元の方針

7社とも「累進配当」(前年より配当を下げない方針)を採用している点は共通しています。ただ増配のペースや総還元性向の目安には差があります。

累進配当ってなに?
一度上げた配当を、業績が落ち込んでも基本的には下げない方針のこと。「下げない」という約束があることで、長期で株を持つ側は安心しやすくなります。

④ 株価指標で見る「割安・割高」

業績や配当方針だけでなく、今の株価が「割安か割高か」を見るための指標もチェックしておきましょう。初心者向けに、まずは基本用語を確認します。

PER(株価収益率)ってなに?
株価が「1株当たり利益(EPS)」の何倍まで買われているかを示す指標です。数字が低いほど「利益に対して株価が割安」とされます。商社株は歴史的に10〜15倍前後で推移することが多い業種です。
PBR(株価純資産倍率)ってなに?
株価が「1株当たり純資産(会社の解散価値に近いもの)」の何倍まで買われているかを示す指標です。1倍を下回ると「資産価値より株価が安い」状態とされ、東証も上場企業に1倍超えを促す方針を出しています。

7社の株価指標一覧

三菱商事
株価4,593円
PER(実績)21.85倍
PBR1.79倍
配当利回り(27/3予)2.72%
伊藤忠商事
株価1,843.5円
PER(実績)14.41倍
PBR1.96倍
配当利回り(27/3予)2.39%
三井物産
株価4,740円
PER(実績)16.33倍
PBR1.54倍
配当利回り(27/3予)2.95%
住友商事
株価6,474円
PER(実績)12.99倍
PBR1.67倍
配当利回り(27/3予)2.47%分割前換算
丸紅
株価4,913円
PER(実績)14.91倍
PBR1.85倍
配当利回り(27/3予)2.34%
豊田通商
株価6,194円
PER(実績)17.58倍
PBR2.06倍
配当利回り(27/3予)2.02%
双日
株価5,291円
PER(実績)10.70倍
PBR1.01倍
配当利回り(27/3予)3.40%

※配当利回りは株価と各社27年3月期予想配当額から算出(実績配当ではなく来期見通しを反映)。住友商事は2026年7月の株式分割前のデータです。株価・指標は日々変動するため、ご覧になる時点の数値とは異なります。

👉 数字をざっくり言うと:双日はPER10倍台と7社で最も低く、配当利回りも3.4%と高め。一方で三菱商事・豊田通商はPERが20倍前後・17倍台とやや高めで、市場からの成長期待が反映されています。割安・割高は一概に「良い・悪い」ではなく、各社の成長期待や事業の安定感も合わせて見るのがポイントです。

⑤ 2027年3月期は7社とも増益予想

今回の決算で目立ったのは、7社全社が来期(2027年3月期)増益を見込んでいることです。中でも三菱商事は前期比+37.4%と大幅な伸びを計画していますが、これは前期(2026年3月期)の資源安・円高による落ち込みからの反動という側面もあります。一方、伊藤忠商事は増益率自体は控えめですが、2期連続で過去最高益を更新しており「安定して稼ぎ続ける力」が際立ちます。

双日も前期比+25.5%と大きな伸びを見込んでいますが、これも前期の金属・資源・リサイクル部門の減益からの回復が主因です。

茶トラ
茶トラ
なんで商社によって、儲け方がこんなに違うん?同じ「商社」って名前やのに。
ハチワレ先生
ハチワレ先生
それぞれの会社が長年積み上げてきた「強い事業」が違うからやで。三菱商事や三井物産は資源、伊藤忠は生活に近いビジネス、って感じやな。
茶トラ
茶トラ
じゃあ資源が強い会社の方が儲かるん?
ハチワレ先生
ハチワレ先生
資源価格が上がってる時はそうやけど、下がる時もある。逆に伊藤忠みたいな非資源型は波が小さい。どっちが正解、じゃなくて「性格が違う」って捉えるのがええで。

⑥ メタの見方

保有状況とポートフォリオの考え方

三菱商事 51株8058  伊藤忠 5株8001  丸紅 8株8002  住友商事 4株8053  豊田通商 12株8015  双日 9株2768

現在、三井物産だけ未保有です。三井物産は資源色が強く、すでに三菱商事を多めに保有しているため、似た性格の銘柄が重なる点は意識しておきたいところ。一方で7社それぞれ強みが異なるため、結果的にバランスの取れた構成になっています。

7社とも累進配当を掲げており、減配のリスクは比較的低いと見ています。当面は売却の予定はなく、各社の決算発表のたびに増配・事業方針をチェックしていく方針です。

メモ:三井物産については、新体制の経営計画や今後の配当方針を見極めつつ検討。資源価格依存度が三菱商事と重複する点も踏まえて判断する。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資にあたっては自己判断・自己責任でお願いします。記載のデータは記事作成時点のものであり、その後変更される可能性があります。
タイトルとURLをコピーしました